【親に怒鳴られたトラウマ】はどのように子育てに影響するのか

 

親に怒鳴られて育った

 

そういう人は案外多いように思います。

 

親に怒鳴られた心の傷、トラウマは深く心に刻み込まれ、大人になってからも影響を与え続けます。

 

そして、子育てを始めると、その影響が子どもに対して大きく現れる場合もよくあります。

 

どんな影響があるのか、またどんな対処法があるのか、お伝えしていきたいと思います。

 

トラウマとは

 

 

トラウマとは、肉体や心に受けたダメージによって引き起こされる心的外傷、すなわち心の傷として定義されます。

 

(乳幼児期から成人するまでの間についたトラウマをインナーチャイルドと呼ぶこともあります。)

 

トラウマはネガティブな影響を持ち、人の心理や行動に深刻な長期的な影響を及ぼす可能性があります​​。

 

トラウマには様々な形があり、一度だけ遭遇した出来事によって記憶に残り、心身に症状が出現するショックトラウマや、継続的なストレスや心理的圧迫によって生じる複雑なトラウマなどがあります。

 

体の傷と違って、心の傷は自然に癒やされることはほとんどなく、大抵の場合深い心の傷として潜在意識に残り、大人になっても影響を放ち続けます。

 

小さな子どもにとって、自分を保護して愛してくれるべき存在である親、そして自分よりも肉体的にずっと大きくて強い親から怒鳴られるという行為は、かなりのインパクトがあり、恐怖体験として心に刻まれます。

 

一度や二度ならともかく、日常的に親に怒鳴られていた、という場合はトラウマになってしまうことがほとんどです。

 

親に怒鳴られたトラウマが子育てに与える5つの影響

 

では親に怒鳴られたトラウマはどのように子育てに影響するのでしょうか。

 

以下に5つの影響を挙げます。

 

① 親と同じように子どもに怒鳴ってしまう という影響

 

怒鳴られて育った親は、自身の子育てにおいても無意識のうちに、同じように子どもを怒鳴ってしまうリスクがあります。

 

なぜなら、人は成長過程で観察した行動を模倣する傾向があるからです。

 

子ども時代に親から怒鳴られることを経験した親は、それが「通常」や「受け入れられる」行動モデルとして無意識のうちに学習してしまう可能性があるのです。

 

その結果、ストレスやイライラを感じる子育ての場面で、自身が経験した行動を反射的に再現するのです。

 

② 感情コントロールがきかなくなる という影響

 

 

怒鳴られた経験は、感情コントロールに影響を及ぼすことがあります。

 

子ども時代に親から適切な感情表現のモデルを見せられないで大人になった場合、ストレスやイライラを健全に扱う方法を身につけるのが難しくなるからです。

 

また、繰り返される親に怒鳴られるという行為により、子どもは怖れや怒り、悲しみなど自分のネガティブな感情を抑圧するようになります。

 

すると、普通にしていても、なんとなくモヤモヤする、というように、常にネガティブな感情が微かに揺れている状態が普通になってしまいます。

 

その結果、子どもからのちょっとした刺激に、感情が大きく揺れやすくなります。

 

そしてコントロール不能になったときに感情的な行為、つまり怒鳴るという形で反応してしまうこともよくあります。

 

③ トラウマの再現 という影響

 

心理学では、トラウマを経験した人が無意識のうちにそのトラウマ的状況を再現することがあるとされています。

 

これは「再演」と呼ばれる現象で、個人が過去の痛みや未解決の問題に対処するために、知らず知らずのうちに同じシナリオを繰り返すのです。

 

怒鳴られて育った親は、それが避けたいことであっても、自身のトラウマを子どもに対して再現してしまう可能性があります。

 

④ 子どもと健全な絆を築きにくい という影響

 

トラウマは、親が子どもとの関係を築く上での不安や恐れを生み出すことがあります。

 

信頼できるはずの親から受けたダメージは人との関係に対する基本的な信頼を損ねます。

 

すると親と子どもとの関係においても、過去に受けた傷からくる不信感や恐怖、不安を無意識に投影するのです。

 

また、親から怒鳴られたトラウマを持つ人は、誰に対しても自分の本音を話しにくくする傾向があります。

 

自分の本音を話していないように見える親に、子どもはどことなく距離を感じます。

 

そうなると子どもと心から信頼しあえることができず、過保護になったり、逆に距離を置いたりすることで、子どもとの健全な絆の形成を妨げることになります。

 

⑤ 自己否定感が強い という影響

 

本来自分を守ってくれるべき親から、恐怖を感じるほど怒鳴られるという矛盾に、子どもは、「自分がダメな子どもだから親はこんなに怒るんだ」ということにして納得しようとします。

 

そうやって「自分はダメな存在だ」いう自己否定感を強めていきます。

 

そして親になると、根本の部分で「自分はダメな親だ」という思い込みを持つようになります。

 

「自分はダメな親」という思い込みは、子育てに自信をなくしやすく、子育てに迷いとストレスを感じやすくさせます。

 

トラウマから回復するには

 

もっと愛情深い、穏やかな子育てをしたい!

 

そう願っても、親から怒鳴られて育ったトラウマは、自分が心から願う理想の子育てが、ものすごい遠いところにあるものと思わせます。

 

ではそのようなトラウマを持つ親が前向きな子育てをしていくためにはどうしていったらいいのでしょうか。

 

① 自己理解を進める

 

 

まずは自分の過去の経験を振り返りましょう。

 

自分がどのようにしてそのトラウマを抱えるようになったかを理解することが、トラウマからの回復プロセスの第一歩です。

 

日記をつける、信頼できる友人やパートナーと話すことで、過去の経験と現在の感情のつながりを探ります。

 

 

次は親に怒鳴られたことで、イライラ、悲しみ、怖れなど自分が子どもの頃から抑圧してきた感情を認識しようとします。

 

しかし、トラウマがある人は自分の感情を感じることに抵抗がある場合も多いです。

 

まずは身体の各部分に意識を向けながらリラックスして、感情が身体にどのように影響しているかを感じ取ることから始めましょう。

 

怒りや不安などの感情は、しばしば肩や胃に緊張として現れます。

 

慣れてきたら、トラウマ的な過去を思い出しながら、その頃の感情が身体にどのような感覚として現れるのかを観察します。

 

過去を知り、感情を観察し続けることは、抑圧した想いや感情が解けてくるきっかけになります。

 

② コミュニケーションの強化

 

子どもとの健全なコミュニケーションを築くことは、親子関係を強化する基礎です。

 

健全なコミュニケーションに役立つ方法はいろいろありますが、ここでオススメしたいのは、私(アイ)を主語とするメッセージ「アイメッセージ」です。

 

親から怒鳴られた時、その言葉はきっとあなた(ユー)を主語とする「ユーメッセージ」がほとんどだったはず。

 

例)

・「そんなことするなんて、なんて悪い子なんだ!」

・「なんでわからないんだ?!」

・「ほんと、どうしようもない子だ!」 などなど・・・

 

親から怒鳴られたトラウマを持つ親は、親の影響で「ユーメッセージ」を使っている時が多いと思われます。

 

「ユーメッセージ」を使っていることに気づいたら、「アイメッセージ」に変えていきましょう。

 

例)

「なんて悪い子なんだ!」→「そんなことをされたら、私はとても悲しくなってしまう」

 

アイメッセージは抑圧されてきた自分の本音を探る、いい方法でもあります。

 

親がアイメッセージを使うことで、子どもは責められていると思うことが減り、子どもも本音が言いやすくなっていく効果が期待できます。

 

③ 専門家のサポートを求める

 

トラウマは一人で扱うのが難しい場合もよくあります。

 

自力でやっていても、現状がなかなか変化しない場合は、専門家のサポートを求めるのがよいでしょう。

 

カウンセリングは、過去のトラウマに対処し、それが子育てに及ぼす影響を理解し、克服するのに役立ちます。

 

しかしカウンセリングではその場で思い出せないトラウマは扱えないことも多く、時間がかかることもあります。

 

短期間で深いトラウマを扱いたい場合は、ヒーリングという手段もあるので、興味がある方はこちらのページをご覧ください。

 

トラウマから回復するとどうなる?

 

トラウマから一定レベル以上回復できると、子育てはどのように変化する可能性があるのでしょうか?

 

 

まず、感情的な部分に変化が起こります。

 

感情的になること自体が減ったり、感情的になっても以前のようなエネルギー量でなくなったり、感情が長引く時間が短くなっていきます。

 

すると、心の余裕が出てくるので、安定した状態で子どもと関われる時間が増えていきます。

 

子どもとゆったりと関わっていると、なんとなく子どもが求めることがわかってきます。

 

そしてそれを子どもにやってあげると、子どもが満たされてきます。

 

満たされる子どもを見て、自分もなぜか心から満たされてきて、深い部分で通じ合うような親子関係ができてきます。

 

そうなると、ほんと、子育てって楽しくなります。

 

子育てというか、人間関係って感じになります。

 

 

トラウマ的過去は時々思い出すかもしれません。

 

でも以前ほどの勢いはなく、むしろ思い出すことで、必要な気づきや学びを得て、人間的な成長へのサポートにすることができます。

 

そうなると、親との心理的距離がどんどん離れていき、自分の人生にネガティブな影響を与えることが少なくなっていきます。

 

 

今までとは、全く違う、囚われのない自由な人生を歩めるようになる、と言っても過言ではないかもしれません!

 

まとめ

 

 

子育てを始めてから親に怒鳴られたトラウマの影響を大きく認識することはよくあることです。

 

そういう親の元に生まれてきた子どもは、トラウマに向き合うきっかけを与えてくれるギフトのような存在、とも言えると思います。

 

親に怒鳴られたトラウマを子育てにおいて再現してしまっているなら、そのことについて過剰に罪悪感を感じず、自分を前向きに変えていくきっかけとしていきましょう。

 

私は親に怒鳴られて育ちましたが、自分のトラウマを子どもに連鎖させたくないという思いから、『インナーチャイルド』(トラウマ)を扱うヒーリングを受け、過去の心の傷から回復しました。

 

 

今は夫と息子、家族三人、自由で楽しい人生を送っています♪

 

 

もしなかなか変化できない自分に悩んでいるようなら、ぜひ、ご相談ください。

 

どんな悩みにも丁寧に寄り添いサポートします。

 

あなたの人生の大きな変化に関われたら嬉しいです。

 

 

 

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