・母親との関係を複雑にするインナーチャイルドとは
・インナーチャイルドが影響するとなぜ母親に優しくできなくなるのか
・インナーチャイルドを癒すと母親との関係はどうなるのか
多くの女性が、年齢を重ねるにつれて、母親との関係の複雑さに直面します。
親ももう年老いてきたんだから、少しは優しくしてあげたい。
でも、母親と話していると、なんかモヤモヤして、イライラしてくる。
そしてつい、つっかかったり、面倒になって黙ったり、冷たくしてしまう。
もう自分は充分大人なはずなのに、なんでもっと大人な態度で母親に優しくしてあげられないんだろう・・・
特に40代になると、これまでの人生を振り返り、親との関係を再評価する機会が増えるものです。
しかし、「なぜ母親に優しくできないのか」という問いは、単純な答えでは解決できない深い問題を含んでいます。
この記事では、心の奥深くに眠るインナーチャイルドの概念を通じて、その謎を解き明かしていきます。
この記事の目次
なぜ母親に優しくしたいと思うのか
【なぜ母親に優しくできないの?】と悩む時、そこには、「母親に優しくしたい」、という想いがあるのだと思います。
どうして母親に優しくしたいと願うのでしょうか。
ひとつには、お腹を痛めて産み育ててくれた母親なんだから優しくすべき!、と言う社会通念的考えがあるように思います。
親には感謝して、親孝行すべき、というのも似てますね。
もうひとつには、これは私自身の経験や多くの母親との関係に悩む人とのセッションを通して感じることなのですが、母親に優しくすることで、母親にいい気分になってほしい、そして幸せな気分になってほしい、と願う気持ちも「母親に優しくしたい」に含まれるように思います。
あなたはいかがですか?
なぜ、母親に優しくしたい、と思うのでしょうか?
母親に優しくしたい、でもできない、の裏側にあるインナーチャイルドとは
母親に本当は優しくしたいと思っている、でも、優しくできない
そのようにふたつの想いの間で心が揺れ、引き裂かれるのは、どっちつかずなのでストレスがかかります。
優しくするなら、する
優しくしないなら、しない
で、どっちか一方だけで気持ちも行動もまとまるなら楽ですよねー。
母親に優しくしたいという願望がありながら実際には難しいと感じる背後には、インナーチャイルドの存在が隠れていることがほとんどです。
インナーチャイルドとは、心理学用語で、自分の内側にいる傷ついた子ども、などという人格を持った存在として使われたりしますが、この記事の中では以下のように定義します。
インナーチャイルド: 幼少期から成人するまでの間についた心の傷(満たされなかった想いも含む)
母親から充分にありのままを愛されて育った人には、インナーチャイルドが非常に少ない可能性が高く、母親に優しくできない、と悩むことはありません。
というか、優しくする、という概念もないかもしれません。
ただ、母親の前でありのままでいて、ただ、自分のやりたいと感じることをやるだけです。
もともと、子どものありのままを認められる母親なので、大人になった子どもがやりたいと感じることをただやることに対しても、そのまま丸ごと受け入れます。
インナーチャイルドがほとんどない人と比較すると、インナーチャイルドが大きい人は、母親の前でありのままでいられない人、と言えるかもしれません。
インナーチャイルドはどのように生じるのか
インナーチャイルドは乳幼児期から成人するまでの間についた心の傷、とお伝えしました。
じゃあ、どのような時にインナーチャイルドが子どもの心に生じるかというと、子どもが主観的に傷ついた想いをして、感情が強く揺さぶられた時に生じます。
暴力や、いじめ、親の離婚や死別、など、誰から見ても、「こりゃ子どもが傷ついちゃうでしょ」、という出来事で生じる傷もあれば、「え、こんなどこの家庭にもよくあるようなことで?」という出来事から生じる傷もたくさんあります。
母親に対し、優しくできない、と悩んでしまうときは、母親との関係性の中で生じたインナーチャイルドがたくさんある可能性が高いです。
子どもは自分をこの世に生み出してくれた母親という存在を無条件に愛し、慕っているのが普通です。
些細な出来事でも大好きな母親に話したいし、自分の感情に共感してもらったり、一緒に笑い合ったり、心満たされるまで寄り添ってもらったりして、自分のことが受け入れてもらえている実感を味わいたい。
しかし母親からありのままの自分を受け入れている感覚が持てず、どこか否定されているような感じを受けると、大人が思っている以上に傷つき、感情が揺れ、(自分はいらない存在なのかも)(自分はダメな子なのかも)と自己否定感を強めていきます。
例えば、以下のような出来事があなたの母親との間でなかったでしょうか。
・母親にゆっくり話を聞いてもらえることはなかったか、少なかった。
・母親から感情的に怒られることがよくあった。
・母親が忙しかったり、他に手がかかる兄弟姉妹がいたりして、充分に甘えられたことがなかった。
・母親と父親との仲が悪く、幸せそうな顔をしていなかった。
・母親から嫌味を言われり、からかわれることがよくあった。
・母親は過干渉で、自分の価値観をよく押し付けてきた。
・母親から褒められることは滅多になく、ダメ出しされていた。
・母親は心配性で、信頼されている感じを感じられなかった。
どこの家庭にもよくありそうなことですが、子どもによっては充分インナーチャイルドとなり得る出来事です。
当時の自分では傷ついた想いや感情をどうすることもできないので、それらを真空パックし、心の奥底に閉じ込めたものがインナーチャイルドとなります。
意識的にインナーチャイルドを癒さない限り、インナーチャイルドは消えることなく、大人になってもずっと心の奥底から影響を及ぼし続けます。
インナーチャイルドは母親との関係にどのような影響を与えるのか
ではインナーチャイルドは母親との関係にどのような影響を与えるのでしょうか。
まず、母親と一緒にいることで、心の奥底にあるインナーチャイルドが刺激され、当時抱えていた傷ついた想いやネガティブな感情が揺れ動きます。
すると、なんとなく、イライラするような、悲しくなるような、不安になるような感じがして、モヤモヤします。
そしてありのままの自分を丸ごと受け止めてくれるような、幼い頃から自分が期待していたような母親でいてくれないことに対し、不満な気持ちや恨む気持ちが出てきます。
なので、なんか、優しくできないのです。
でも、一方で、母親に愛されたい、認められたい、役に立つと思ってほしい、嫌われたくない、褒められたい、などという想いも出てきます。
それが、本当は母親に優しくしたい、という願いに現れていることもよくあります。
でも、愛されたくて優しくしているのに、それすら受け入れられなかったら嫌だ、という想いもあり、優しくすることに躊躇する場合もあるのです。
しかも、優しくできないことに対し、なんて自分はダメな子なんだ、と自己否定感が刺激され、罪悪感も湧いてきて、ぐるぐるするケースも多いです。
そんな感じに、母親に対してのインナーチャイルドは一つの想いや感情だけでなく、複雑に絡み合った想いや感情となって出てくることがほとんどです。
だから、なかなか、シンプルに、スッキリとはいかないのですよー。
母親の前で本当はどうありたいのか
なぜ母親に優しくできないのか?
その答えは、母親との関係性の中でついたたくさんの心の傷がインナーチャイルドとして心の奥底に存在するからです。
しかも、なぜ母親に優しくできないのか、の裏側にある、母親に優しくしたい、という願いも、インナーチャイルドの影響だったりするケースもあります。
だとしたら、本当に求めることは、母親に優しくできる自分になる、のではなく、母親がどうであっても動じない、心満たされている幸せな自分になる、ことではないでしょうか。
心満たされている幸せな自分だったら、心に余裕があって、優しくしよう!とか思わなくても、誰に対しても、もちろん母親に対しても、自然体で優しい自分でいられるような気がしませんか?
幸せな自分でいるためにインナーチャイルドを癒そう
母親に対して複雑な気持ちを抱いていればいるだけ、インナーチャイルドは大きい可能性があり、インナーチャイルドが大きければ、心からの幸せを感じにくい傾向にあります。
なぜなら、母親との関係性の中でついたインナーチャイルドは、母親との関係の中だけでなく、他の人間関係の中でも容易に刺激され、自己否定感やイライラ、落ち込みなど、ネガティブな想いや感覚、感情などを刺激するからです。
なので、母親が、いや母親だけでなく、誰がどうであっても動じない、心満たされている幸せな自分、になるためには、インナーチャイルドを癒していくことが必要となってきます。
自分でインナーチャイルドを癒していくには、まず、母親との間でどんなことで自分は傷ついた可能性があるのか、過去に意識を向けてみましょう。
例えば、理不尽なことで怒られてたのがすごい嫌だった、と出てきたとします。
そしたら、理不尽なことで怒られた当時の自分の感情を思い出し、感じてあげます。
肩がキュッとなったり、胃に重いものが感じられたり、など、肉体の反応が出てきたら、静かに寄り添うように、その肉体の反応に意識をむけ続けることができるととてもいいです。
そして、本当は、母親にどうあってほしかったのか、自分は母親の前でどうありたかったのか、その時の自分の本音を探ってみましょう。
母親にちゃんと自分の話を聞いて欲しかった、と出てきたら、それを自分が自分に対し、やってあげることを誓いましょう。
そうやって、母親からではなく、自分で自分を満たし、愛せるようになると、本当の意味で親から自立し、自分らしく幸せに生きていけるようになります。
そのプロセスにおいて、「母親に優しくできない」という自分も、まるごと受け入れていくことも必要となってきます。
そう、別に、母親に優しくできなくたって、いいじゃないですか!
早くインナーチャイルドの影響を手放したい場合は
といっても、インナーチャイルドは複雑に絡み合っているので、それをひとつひとつ紐解いて整理して、癒していくのは思っている以上に大変です。
インナーチャイルドをなんとかしようと色々やってみてるけど、あんまり変わらない。
やっぱり母親と一緒にいたり、ふとした時に母親のことが思い浮かんだりすると、いろんな想いや感情が交錯して自分らしくいられない。
そんな人もいるかもしれませんが、それは仕方がないことで、あなたの努力不足、というわけではありません。
自分一人で母親がすっかり気にならないレベルまでインナーチャイルドを癒していくには、例えば、1日1時間のしっかりした瞑想を30年続ける、くらいの根気が必要なんです。
なので、母親が生きているうちに、いや、自分が生きているうちに、インナーチャイルドを一定レベル以上癒したい、という場合は、専門家のサポートを受けた方が圧倒的に速いです。
「インナーチャイルド」「癒し」とWebで検索するといろいろな情報がヒットすると思います。
ご自身に合いそうなサポートを探してみるのよいと思います。
私は『インナーチャイルド』を扱うヒーリングを提供しています。
以下のような方におすすめなので、興味がある方はこちらのページをご覧になってくださいね。
・母親との関係性の中でついたインナーチャイルドをなんとかしたい
・感情の波を穏やかにしたい
・人の顔色を伺って生きることをやめたい
・過去に囚われてもんもんとする時間を減らしたい
・ストレスレスでのびのびと生きていきたい
インナーチャイルドが一定レベル以上癒されると起こりうること
ではインナーチャイルドが一定レベル以上癒されると、どんなふうになっていくのでしょうか。
まず、母親との心理的距離が離れます。
中学校の卒業アルバムの写真を見て思い出すような同級生、くらいの心理的距離感です。
それくらい心理的距離が離れている同級生と会ったとしても、優しくできない・・・、とかなったりしないですよね 笑
そう、母親を前にして、いろんな想いや感情が湧いてきて、もやもやイライラ、ぐるぐるして、めんどくさい、疲れる、なんてこともなくなります。
シンプルに付き合えるようになります。
すると不思議なことに、他の人間関係においても、シンプルになっていきます。
気を遣うような関係性の人たちは自然に遠ざかり、代わりに、本音で付き合えるような人たちが自然と周りに集まってきます。
そして何より、自分自身との関係性が変化します。
自分は自分でいい、と思えることが増え、ありのままの自分でリラックスして安心して過ごせる時間が増えていきます。
2009年から『インナーチャイルド』を扱うヒーリングを提供していますが、やっぱり胎児の時から一緒にいる母親なので、母親との間についたインナーチャイルドは人生においてかなりの影響力があると実感しています。
それだけに、インナーチャイルドが一定レベル以上癒されたあとの人生は、後から振り返れば、生まれ変わったかも、と思えるような、自由で豊かで、ストレスレスなものになっていくでしょう!
私と母の関係性の変化
実は私自身も、以前は母親に優しくできない、と悩んでいた時期がありました。
私の母は父と仲が悪く、幼い頃からずっと父の愚痴を聞かされ続けてきたんです。
んで、私は母の愚痴を黙って聞いて、慰めて、彼女をケアしてあげることが、母に優しくすることだったんですが、聞いているとイライラもやもやしてきて、自分が思うように聞いてあげられなかったんですね。
それが、今私が提供している『インナーチャイルド』を扱うヒーリングを受け、自分のインナーチャイルドと向き合う過程で、母の愚痴に付き合うのを、つまり母親に優しくしようとするのをやめました。
すると、母の愚痴に付き合った後に、モヤモヤイライラがひどくなって、家族に当たり散らす、なんてことはなくなりました 笑
誰かを幸せにするために、自分を犠牲にする必要はない。
私は私の幸せを何よりも優先することにしたんです。
今の母と私との関係はというと、、、母の愚痴は圧倒的に減り、代わりに、お互いの興味があることや、やって楽しかったことなどを話すようになりました。
以前よりずっと、穏やかな時間が私と母の間には流れている気がします。
ただ、母親と父親の中は相変わらず不仲です。
まぁ、不仲が継続しているのは彼らの選択なので、いいかなーって思ってます。
そういえば、母親に優しくできない、と悩んでいた時は、母親を幸せにしてあげられない、という罪悪感があったように思います。
そして母親への罪悪感から、自分だけ幸せになってはいけないと、自分を幸せから遠ざけることを無意識にしていた感じがします。
母親との心理的距離感が離れた今、私はいろんな意味で幸せで自由です。
もしかして、母親の愚痴を聞いて、母親が不幸でい続けることに加担していない今の方が、本当の意味で母親に優しいことをしているのかもしれません 笑
まとめ
母親に優しくできない裏側にあるインナーチャイルドは、「今、自分らしく生きていないこと」「もっと自分らしい人生を送ることができること」を教えてくれているのかもしれません。
また、インナーチャイルドと向き合い、癒していく過程では、今まで蓄積してきたネガティブな想いや感情が噴き出し、一見、親との関係性が悪くなったように感じる時がある人が多いでしょう。
でもそのプロセス最終的に、依存的ではない、自立した親子関係につながっていきます。
そこを信頼して、着実に進んでいきましょう。
一人だと向き合うのが難しい、膠着した現実を進ませにくい、という方はご相談ください。
どんな悩みにも丁寧に向き合いサポートします。
あなたの母親との関係を健やかにするお手伝いができたら嬉しいです。
■『インナーチャイルド』を扱うヒーリングの詳細はこちら
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