子どもを無視するという行為が持つ影響は、見えにくいもの。
親に無視された子どもはどのように感じ、反応するのでしょうか。
そしてそれが長い目で見るとどのような心理的、行動的問題につながりうるのでしょうか。
この記事では、親が子どもを無視することが引き起こす可能性のある問題点と、それにどう対処すればよいかについて掘り下げていきます。
また、子どもを無視するということをどうやったらやめられるか、ということについても提案していきたいと思います。
この記事の目次
子どもを無視してしまった私の経験
私は子どもの頃から、何か気に入らないことがあると母親を無視する子どもでした。
無視するきっかけは、母親に理解されずに傷ついている、ということをアピールするためだったと今では感じます。
そして、母親にダメージを与えて、自分に対して罪悪感とか引け目を感じてほしかった。
結婚すると、夫に対しても無視を繰り返すようになりました。
そして、息子を出産。
息子には、私が母親に感じていたのような想いを抱かせたくない、と、子ども時代の心の傷『インナーチャイルド』と向き合い、癒してきました。
しかし、息子が小学生くらいの時、イライラすると、自分の子ども時代の癖である『無視』が出てきてしまった時期があります。
『無視』に至るまで流れは、息子に繰り返し言い聞かせてきたことを守ってもらえなかった、というパターンがほとんどでした。
何度言っても聞いてもらえない
→ 私のことを息子は大切にしてくれていないから、そういうことができるんだ
→ 私が怒っているということを思い知らせてやる!
そんな気持ちがあったのでした。
もしあなたが子どもを無視していることがあるとしたら、それはどんな思いでやっているのでしょうか。
親に無視されたことによる子どもへの影響
子どもが無視されるということが続くと、その心にはどのような影響があるのでしょうか?
子どもの自己肯定感を損なう可能性
無視は、怒鳴ることや体罰に比べたら見た目には無害かもしれません。
しかし子ども自己肯定感を深く傷つけることがあります。
まぁ、そうですよね、無視というのは、話しかけれても無視、挨拶もしてもらえない、などその存在をないものとされることとイコールです。
無視された子どもは、(自分は親にとって大切な存在ではないんだ)(価値のない人間なんだ)と感じ、不安や孤独を感じることが多くなります。
すると成長するにつれて、自己肯定感が低くなり、自分に自信が持てなくなります。
子どもが自分らしく生きれなくなる可能性
無視された子どもはしばしば孤立感を感じます。
そしてどうやったら親が無視をやめ、普通に接してくれるのか、一生懸命考えます。
また、無視されることに怯え、常に親の顔色を伺い、無視されないようにするにはどうすべきかも考えます。
すると、「本当は自分はどうしたいのか」という自分の気持ちがどんどん置き去りになっていき、親に振り回されるようになっていきます。
これがこの先の人生を自分軸ではなく、他人軸で生きることにつながります。
これは人間関係の形成にも影響を及ぼし、本当の意味で他人に安心感を抱くことができず、孤独感をさらに深めることになります。
また、親の無視によって生じる不安感やストレスは、攻撃性や反抗的な行動を引き起こすことがあり、これがさらなる社会的孤立を招くこともあります。
子どもの問題行動につながる可能性
親からの愛情や注目を引くために、問題行動を起こすようになることもあります。
親からの無視が子どもに引き起こす行動問題は多岐にわたります。
親の注意や愛情を引き出すために、攻撃的な行動や反抗的な行動を取る子どももいます。
これはしばしば学校での問題行動として表れ、教師や他の生徒との関係に影響を与える場合もあります。
するとどうしても親は子どもと関わらざるを得なくなります。
子どもはこのような行動が親から注目を集める手段であると学習し、それを繰り返すようになります。
この行動パターンは、子どもが社会的なスキルを適切に発達させることを妨げ、将来的な人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、自傷行為や拒食症など、子どもが自分自身を傷つけるという問題を起こすパターンもあります。
子どもの心をケアしよう
もし子どもを無視してしまったことが数えるほどなら、まだ子どもの心の傷は浅いかもしれません。
でも、何度もやってしまっている、そしてそれを後悔しているようなら、ぜひ、積極的に傷ついた子どもの心をケアすることをやっていきましょう。
以下に子どもの心をケアするアプローチをお伝えします。
・子どもに謝る
子どもを無視してしまった過去や、過去やってしまって悪いと思っていることを素直に謝りましょう。
子どもと目を合わせ、ゆっくりと自分の本音を話すことで、子どもの信頼感を取り戻すきっかけになるでしょう。
・子どもの感情を受け入れる
親が前向きに変化しようとしていると、それを試すかのように子どもがわがままになったり、感情的になったりすることがよくあります。
(お母さん、こんな私(僕)でも無視しない?)
ってな感じに試されている感じです。
そんなときは、子どもの感情を受け入れ、共感を示すことが重要です。
例えば、「そう感じたんだね」「怒ってるんだね」などと受け入れる姿勢を見せ、その感情を認めてあげることです。
・安定した愛情表現とポジティブな声かけを意識する
日常的に「大切だよ」「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」などという言葉をかけ、一貫性のある愛情表現を心がけましょう
また、子どもの小さな成功や努力を認め、積極的に褒めることは、下がってしまった自己肯定感を育みます。
できて当たり前、できてないところばかり目につきイライラしてしまう、というのは多くの親が抱えるパターンかもしれません。
できていることを見つける習慣を身につけるつもりで、毎日1回以上は子どもを褒める、ということにトライしてみてもいいかもしれません。
悪いと思っている、けど、無視がやめられない、という場合は・・・
子どもを無視することの悪影響は理解してる。
でも怒りがピークに達すると、無視をしてしまうことをやめられない。
(こんなに私を苦しめたんだから、同じように苦しめるてやるのは当然だ)など無視する行為を正当化してしまう。
一度無視すると、なんとなく引っ込みがつかなくなり、無視を続けてしまう。
落ち着いているときは自制できるけど、生理前など体調が悪いときはもうダメ・・・
という人も一定数いそうです。
私もそうでした。
無視する、という行為の裏側には、子どもをコントロールしたい欲求が隠れています。
私を怒らせると、こんなに辛い目に合うのよ!と深く思い知らせて、自分の気に入らないことをさせないようにしたいのです。
また、無視は怒っていることのアピールでもあります。
子どもに罪悪感を抱かせて、自分に注目してほしい気持ちもあります。
無視という行為をしてしまう人は、満たされない想いを抱いてます。
100%満たされていて幸せな人は、人を無視なんてしないですもんね。
なぜ満たされない想いを抱いているのか、その理由はたくさん出てくるかもしれません。
時間の余裕のなさ、夫婦関係、親(義理を含む)との関係、経済的な理由・・・
でもほとんどの人に共通する根本的な原因があります。
それは、『インナーチャイルド』です。
無視する行為の裏側にある心理的原因『インナーチャイルド』
『インナーチャイルド』は乳幼児期から成人するまでの間についた心の傷のことを指します。
子どもを無視するという行為をしてしまう人は、同じように、子ども頃、自分の親から何かしら心が傷つくような行為や態度を受けていた可能性が高いです。
同じように無視されていた、という場合もあるでしょう。
無視ではなく、感情的に怒鳴られる、責められる、不平不満を言われる、などの行為を受けていたかもしれません。
親と子どもが対等の関係ではなく、親が子どもをコントロールするような関係性の中で育つと、子どもは一人の人間としてちゃんと尊重してもらえた実感が薄くなります。
すると子ども、心の傷『インナーチャイルド』をどんどんつけていきます。
そして『インナーチャイルド』は心の奥底に蓄積し、残り続け、人生のあちこちに影響を与えます。
そして大人になり子どもが産まれ子育てを開始すると、子どもとの関係性の中で当時の傷ついた想い『インナーチャイルド』が刺激され、自分でもコントロールできないような感情的な行為を繰り返してしまうのです。
なので、どんなに努力しても、子どもを傷つけるようなことをしでかしてしまう、そんな自分を変えられない、という場合は、『インナーチャイルド』と向き合い、癒していくことが近道になります。
『インナーチャイルド』との向き合い方
では『インナーチャイルド』はどうやって向き合い、癒していけばよいのでしょうか。
まずは自分は子ども時代、親との関係性の中で、どんなことで傷ついてきたのか、意識を向けてみましょう。
『インナーチャイルド』? 傷ついたこと・・・?、 ってよくわからない・・・
という方は、ご自身が子どもを無視してしまうパターンから、自分の『インナーチャイルド』を探っていきます。
例)
もし、子どもが言いつけを守らなかった時に、無視してしまうなら
→ 自分が子どもの頃、親の言いつけを守らなかった時、親からどんな対応を受けたか?
もし、子どもが何か自分の気に入らないことを言った時に、無視してしまうなら、
→ 自分が子どもの頃、親の気に入らないことを言ってしまった時、親からどんな対応を受けたか?
ノートに書き出してみるのもよいでしょう。
親の対応にひどく傷ついたことを思い出したら、当時の自分の本音や当時の感情に、そっと寄り添うイメージで、受け入れてあげてください、
例)
母親の言いつけを守らなかったら、感情的に怒鳴られ続けた。
言い訳すると、もっと怒鳴られたので、黙って耐えているしかなかった。
(本音)なんでそんなに怒鳴られなきゃいけなかったの? 子どもなんだから忘れることなんてよくあるじゃん。もっと優しくしてほしかった。ほんと、ひどい・・・
当時の本音や感情を受け入れてあげることで、『インナーチャイルド』は癒されていくでしょう。
ただ、根深い『インナーチャイルド』がなかなか自分で紐解くことが難しいのが現状です。
そういうときは『インナーチャイルド』を扱う専門家のサポートを受けることがおすすめです。
私は2009年から『インナーチャイルド』を扱うヒーリングを提供しています。
根本から自分を変えていきたいという方に効果的なツールなので、興味がある方はこちらのページをご覧ください。
まとめ
私自身は、以前は、半年に1回くらいの割合で、息子を無視してしまうことをしてしまっていました。
私の育った家庭では、親から無視されることはなかったです。
でも父親が怖くて支配的、母親が不安症で過干渉で、子どもである私は親から一人の人間として認められている感覚は薄く、私の『インナーチャイルド』はかなり大きかったのです。
このまま子育てしたら、私はやばい!と気づき、妊娠中に『インナーチャイルド』を扱うヒーリングを受け、子育てを通して自分の『インナーチャイルド』と向き合い癒してきました。
なので今では行動に影響するようなイライラはなく、自然に、無視するパターンは出なくなりました。
でもこの記事を書くにあたって、以前、私から無視されたことについて息子はどう思っているのか、聞いてみました。
すると「悲しかった」とのこと。
そりゃそうですよね。
当時のことを改めて、息子に謝りました。
無視する、という行為は、かなり深刻なダメージを子どもに与えます。
もし子どもの本当の幸せを願うなら、親が自分自身の行動や態度を変えていくことはとても大切です。
でもどうしても自分を変えることは難しい、ってこともありますよね。
そういう方はぜひご相談ください。
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