日々の感情とどうお付き合いしていますか?
感情が穏やかな日もあれば、やたらネガティブな感情にとらわれる日もある、なんてことはありませんか。
・ 感情は天気のように気まぐれで、なかなかコントロールが難しい
・ 上がったり下がったり、アップダウンが激しい
・ 感情が行動や言動に影響して、子どもやパートナーとぎくしゃくしてしまう
そんなあなたへ、感情の起伏の仕組みを説明しながら、毎日の感情を健やかに保つ、シンプルな方法をお伝えします。
なぜ感情の起伏が生じるのか
そもそもなぜ、感情は起伏するのでしょうか。
実はどんなに感情がクリアな人でも、感情はポジティブ・ネガティブに微妙に揺れ動いています。
吸って吐く、吐いて吸う、呼吸のようなものかもしれません。
ただ感情がクリアな人は、微妙に揺れ動く感情をただ感じるだけで、そこに囚われません。
自然に呼吸しているときに、呼吸を特に意識しないのと同じかもしれません。
一方、感情のアップダウンがあり、コントロールがききにくい人は、感情が滞っていると言えます。
感情のクリアな人との対比で言うと、呼吸の状態に意識が囚われて、一喜一憂・右往左往している状態と例えることもできるでしょう。
感情が滞っているとは、本来はさらさらとした水のような感情が、ドロドロだったり、時には石のように固くなってしまっていまっています。
すると感情の波立ちが大きくなりやすく、外からの刺激にも反応しやすくなり、感情が行動や言動に影響を与えやすくなります。
なぜ感情は滞るのか
ではなぜ感情は滞ってしまうのでしょうか。
生まれたての赤ちゃんの感情はクリアで、サラサラしています。
よく泣く赤ちゃんはいても、アップダウンの激しい赤ちゃん、という表現はそぐわないですもんね。
子どもは小さければ小さいほど、素直に自分の感情を感じて表現し、表現しきったあとはさらりと感情は流れていきます。
泣いていたと思ったら、もう笑ってる、というような子ども特有の切り替えの早さは、感情が大人よりもクリアだから起こるのです。
しかし、子どもが感情を表現することに対し、「泣くのをやめなさい!」などと否定したり嫌そうな態度をしたりすると、子どもは親に嫌われまいと、感情を感じること自体を抑えるようになっていきます。
この、「感情を感じることを抑えること」によって、感情はどんどん滞っていくのです。
余談ですが、感情を感じて表現することを充分やりきった子どもは、大人になるにつれ、感情を外側に表現しなくても心の中で静かに感じることができるようになります。
親は感情を表現している子どもを見て、大人になってもこのままだったらヤバいのでは、と心配して感情を表現することを止めさせようとする傾向にありますが、実は逆効果だったりします。
感情を健やかに保つ シンプルな方法「感情を感じる」
さて、感情の影響を受けて人とトラブルになったり、疲れ果てて消耗してしまうときは、あなたの感情は健康的とは言えないでしょう。
今回は感情の影響が出にくくなるように、滞りがあっても毎日の健康を健やかに保てるように、日々実践できるシンプルな方法をお伝えしましょう。
それは、「感情を感じる」です。
言葉に書くと非常に単純ですが、実はこれこそが、感情の滞りをクリアにできるシンプルかつパワフルな方法です。
ただ、感情のコントロールがききにくいほど感情を滞らせてしまっている人は、感情を感じないように抑圧しているのが普通になっています。
(私もその一人でした。)
なので、「感情を感じる」と聞いても、(感情を感じるってどういうこと?)とピンとこなかったりします。
また反対に(感情なんてしょっちゅう感じてるよ!)という方もいるかもしれません。
でも感情の影響で言動や行動に影響したり、思考がグルグルと回っている場合は、感情を感じていると思っていても、感情を健やかに保てるほど感情を感じられているとは言えません。
では感情を健やかに保つ「感情を感じる」とは、どういうことなのでしょうか。
感情を感じる方法
感情を健やかに保つ「感情を感じる」とは、自分の内側だけで静かに感情を感じている状態です。
その時は思考は働きません。
言動や行動に影響が出ることもありません。
例えて言うなら、指先の切り傷が痛んでいるとして、「どこで切ったんだろう」「いつ治るんだろう」というような思考をせずに、痛みのシグナルだけにじっと意識を向け続けるイメージです。
その痛みのシグナルは、表面だけでピリピリしたものかもしれません。
血の流れとともにズキンズキンと響くものかもしれません。
チクチクチクチク、痒くなる感じかもしれません。
同じように、感情のシグナルに意識を向けてみてください。
それは体のどの部分にある感じがしますか。
どんなシグナルを感じますか。
胸の方から頭の上に突き上げるような、真っ赤な蒸気のようなシグナルを感じるかもしれません。
胃の奥に、真っ黒い冷たい石のような塊を感じるかもしれません。
頭の周りを、青味がかった灰色の雲が、モヤモヤと覆っているのを感じるかもしれません。
シグナルを感じるまで、慣れないうちは時間がかかるかもしれませんが、根気よく感じようとしてみてください。
一旦、シグナルを感じたら、そのままじっと、シグナルを感じ続けます。
うまく感じ続けられると、すっと感情自体が抜けていきます。
すると、今までどんな感情を抱いていたのか忘れるくらい、スッキリとした気分を感じると思います。
「感情を感じる」をまずは1日5分くらいから、感情を感じる器を整えるようなイメージで、時間をとってやってみてください。
そして感情的になっている自分を感じたら、その都度、感情のシグナルを感じるイメージで、感情を静かに感じてみてください。
リアルタイムでは感情に飲まれてしまっても、後から思い出して改めて感じ直してみるのもおススメです。
慣れるまでは、一人になれる場所で感じるほうがよいでしょう。
感情は空間に漂う性質があるので、自分の感情を感じている間も、人の感情の影響を受けて、新たな感情が生み出され、感情がごちゃごちゃになる可能性があるからです。
「感情を感じる」ことができるようになってくると、言動や行動に影響を与えやすい、表面が波立つような感情はだんだん起こりにくくなっていきます。
まとめ
日々の感情が健やかであれば、幸福感や安心感を感じやすくなり、人生はずっと穏やかで輝きに満ちたものになっていきます。
感情に振り回されることが少なくなれば、心も体も軽くなり、本当にやりたいことをやっていく土台も整うでしょう。
そういう親を見て育つ子どもは、感情に振り回されるのではなく、感情とうまく付き合っていく方法を身をもって学んでいくでしょう。
毎日の感情を健やかに保つシンプルな方法「感情を感じる」
最初はピンとこなくても、日々実践しているうちに、なんとなくこれかも、という感覚がつかめてくると思います。
是非、お試しくださいね。
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