どうしてこの子はこんな風なんだろう?
子どもの性格や性質の中にネガティブな要素を見つけたとき、このように感じることはありませんか。
遺伝なんだろうか。
誰かに似たんだろうか。
それとも、魂とか過去生とか関係するんだろうか。
確かに子どもの心の中には色々な要素があります。
その中で、子どもの人生をネガティブな方向に決定づける大きな要素は、バーストラウマとインナーチャイルドです。
今回はこの、バーストラウマとインナーチャイルドについてお伝えしようと思います。
この記事の目次
バーストラウマとは何か
バーストラウマとは胎児期から生後三か月くらいまでの間についた心の傷、満たされなかった想いのことを指します。
バーストラウマがつく要因には以下があります。
①妊娠中の母親の状態:母親のストレス・母親の健康状態の悪化・望まれない妊娠など
②出産:自然からかけ離れた出産、産道を通る苦痛など
③生後すぐ:母親との離別など
どんなに理想的な出産をしても、産道を通る時の苦痛が原因でバーストラウマができるとされています。
つまり地球上に住む人なら誰でもバーストラウマを持つとも言えるのです。
ただ、問題はバーストラウマの量。
適正量であるなら、自分の人生に信頼感を安心感を持つことができ、自分はうまくいくという根拠のない自信を自然に持つことができます。
赤ちゃんは頻繁に泣くもの、と誰もが思っていますが、バーストラウマが少ない赤ちゃんは、泣いてもせいぜい1日20分くらい、という説もあります。
反対に、適正量を超えるバーストラウマがあれば、以下のような自分自身を否定するネガティブな情報を心の底に持つことになります。
そして、その先の人生、そのネガティブな色眼鏡を通して世の中を見ていくことになるのです。
バーストラウマのより詳細に興味がある方はこちらの記事をご覧ください。
バーストラウマからインナーチャイルドへ
インナーチャイルドとは、乳幼児期から成人するまでの間についた心の傷、満たされなかった想いのことを指します。
バーストラウマが大きければ、ものごとをネガティブに捉えやすくるので、インナーチャイルドも大きくなりやすい傾向にあります。
例えば、授乳中、母親が赤ちゃんから目を離し、別のところを見ていたとします。
バーストラウマが小さければ、自分は愛されているという信頼があるので、母親は今は自分を見ていないなとありのままに捉えるだけです。
しかし、バーストラウマが大きければネガティブな色眼鏡を通して見てしまうので、「自分は必要とされてないから、母親は自分のことを見てくれないんだ」と勘違いしてしまう可能性があるのです。
「母親に必要とされてないから見てくれない」というような心の傷や、「本当は見てほしかった」というような満たされなかった想いが、インナーチャイルドとなって心の底に固定化していきます。
そして色眼鏡のネガティブ度合いが大きくなっていくのです。
母親が自分が見てほしい時に自分を見ていなかった、ということでもインナーチャイルドになり得るなら、以下のような子育てによく起こりがちなことはインナーチャイルドを大きくする要因に容易くなり得ます。
インナーチャイルドが与える影響
子どもが小さいころは、インナーチャイルドの刺激を受けると、子どもの感情は簡単に揺れ動きます。
子どもは感情と一体化している存在と言ってもいいでしょう。
しかし小学生くらいになると、周りのことがある程度理解できるようになってきます。
そうなると、インナーチャイルドが大きければ大きいほど、「○○はしてはいけない」「お父さんは△△な人だ」「どうせ自分は■■だ」というような自分の身を守るための情報や自分が新たに傷つくのを防ぐような情報(観念)を沢山くっつけていきます。
なので、幼少期のように感情が見た目に大きく揺れ動くことは徐々に減っていきます。
しかし感情が出なくなったわけでなく、感情の出し方がストレートではなくなり、感情がどんどん抑圧されて溜まっていくイメージです。
そうなると、ふいに感情が爆発したり、感情的な切り替えができにくくなったりします。
思春期くらいになると、もうこれ以上傷つくのは嫌だ、とばかりに、自分と外側との間に殻を作り始めます。
それが「私はこういう人間だ」というアイデンティティ(自分自身に関する思い込み)です。
インナーチャイルドが大きいと、本来の自分とはズレたアイデンティティーが作られやすいです。
ズレたアイデンティティーがあると、自分らしさが発揮されにくくなります。
例えば、ある女の子が親とうまく関係性が保てないことによるインナーチャイルドが原因で、「自分は人付き合いが下手」というアイデンティティーを持ってしまったとします。
するとその子はたくさんの人と出会うような場所に行くことや、友だちを積極的に作るようなことを避けるようになります。
アイデンティティーが本当の自分と一致していない場合、例えば本当は人をサポートが上手で喜びを感じる子なのに、「人付き合いが下手」というズレたアイデンティティーを持つと、生まれ持った才能や個性を発揮しにくくなります。
アイデンティティーが確立するくらいまで成長すると(だいたい思春期の終わり頃)、インナーチャイルドはこれ以上大きくならずに固定化します。
子どもにインナーチャイルドをつけない子育てとは
多くの親は、子どもが幸せになるように、どんな風に育てたらいいのか、どんな教育を与えたらいいのか、どんな習い事や塾がいいのか、一生懸命考え悩みながら子育てしていくでしょう。
しかし子どもの幸せという観点において、バーストラウマとインナーチャイルドを意識した子育て、というのは非常に重要なように思います。
なぜなら、いくら親が幸せのためにいいと思う子育て法や教育法を実践しても、子どもがネガティブな色眼鏡をかけていたら、子どもは心からの幸せを感じにくいし見つけにくいからです。
では私たち親はどう子どもと接していったらいいのでしょうか。
もし妊娠中であるなら、できる限り自然な状態で出産しようとすることはバーストラウマを少なくするという視点から考えると重要でしょう。
しかし理想の出産を追い求めすぎるのも、かえってバーストラウマになる可能性もあるので、バランス感が大切です。
しかしもうすでに自分の子どもには適正量以上のバーストラウマ、そしてインナーチャイルドがありそうだ、という方もいるでしょう。
その場合、子どもインナーチャイルドをこれ以上つけないことが重要です。
では一体どうしていったらいいのか。
言葉で言うと簡単です。
ありのままの子どもを理解しようとすることです。
しかし、親自身がネガティブな色眼鏡をかけていては、ありのままに子どもを見ることができません。
つまり、親自身が自分のバーストラウマとインナーチャイルドの影響を少なくしていくことが、子どものインナーチャイルドを大きくしないことにつながるのです。
自分自身のバーストラウマ・インナーチャイルドの影響をどう少なくしていくのか
ではどうやって、自分自身のバーストラウマ・インナーチャイルドの影響を少なくしていけばいいのでしょうか。
バーストラウマは心のずっと底にあり、いきなり自分で扱うのは非常に難しい性質があるので、インナーチャイルドから癒していくのがいいでしょう。
手始めに子育てを通して自分のインナーチャイルドを見つけることからやってみるといいと思います。
子どもについてネガティブに捉えてしまうことを書き出してみましょう。
そしてどうしてそれをネガティブに捉えてしまうのか、探ってみましょう。
自分の子ども時代に、特に親との関係において、原因がないかどうか探ってみるのもいいと思います。
子どもに対し感情的になりやすいという方は、以下の記事内にあるインナーチャイルドの癒し方を参考にしてみてください。
ただ、インナーチャイルドは複雑に絡み合っていることが多いため、一つ一つ取り扱っていると非常に時間がかかります。
子どもが手元にいるうちになんとかしたい、という方は、インナーチャイルドを扱うサポートを受けることが近道です。
また私は2009年から『インナーチャイルド』(およびバーストラウマ)を扱うヒーリングを提供しています。
興味ある方は、こちらのページをご覧ください。
まとめ
子育てにおいて、親自身が自分のバーストラウマ・インナーチャイルドを癒していくのはとても大切なように思います。
なぜなら、親と同じようなバーストラウマ・インナーチャイルドを子どもが受け継いでいくからです。
私はこれを、トラウマの連鎖と呼んでいます。
親がバーストラウマ・インナーチャイルドから自由になることにより、子どもも自由になっていく。
親子関係において、ネガティブな連鎖ではなく、そんな自由の連鎖を起こしていけたらいいですね。
トラウマの連鎖から抜け出したい方はご相談ください。
たくさんの人の親子関係の悩みの相談に乗ってきた八神が、どんな悩みにも寄り添い丁寧にサポートします。
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参考:「感情の取扱説明書」谷孝祐著 みらいパブリッシング
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