
「子どもの前で怒りが爆発してしまう自分が嫌い…」
「自分の母親も感情的でそれが嫌だったのに、同じことを繰り返している自分が怖い…」
子育てをしていると、時にヒステリックになってしまい、後で自己嫌悪に陥ることがあるかもしれません。
実は、子どもへのヒステリックな怒りは、単なる「性格」の問題ではなく、親から無意識に受け継いだ感情パターンな可能性があります。
幼少期に形成された心の傷や、日々のストレス、完璧な親でなければという思い込みが引き金となって怒りが爆発してしまうのです。
しかし、自分のインナーチャイルド(子ども時代の心の傷)と向き合うことで、この連鎖は必ず断ち切ることができるのです。
今日から「なぜこんなに怒るのだろう」と自分に問いかけてみましょう。
自分の内側にある小さな子どもの頃の自分に寄り添い、癒していくことで、子どもへの接し方も自然と変わっていきます。
この記事では、子育て中に感情的になってしまうことで悩んでいる方に向けて、
- 親から子へと受け継がれる「世代間連鎖」のメカニズム
- 今すぐできる!怒りの感情をコントロールする方法
- 世代間連鎖を断ち切るための長期的アプローチ
上記について、筆者自身が親からの怒りの連鎖を断ち切った経験を交えながら解説しています。
子どもに対してヒステリックに怒ってしまう自分を責めるのではなく、まずはその事実を認めることから始めましょう。
この記事があなたの心の負担を少しでも軽くし、より穏やかな親子関係を築くヒントになれば幸いです!
この記事の目次
子どもにヒステリックに怒る自分を認めることから始めよう
子どもに対してヒステリックに怒ってしまう自分
まずはそんな自分を責めるのではなく、その事実を素直に認めることが変化への第一歩。
多くの場合、このヒステリックな反応は自分の意志の弱さではなく、親から無意識に受け継いだパターンであることがわかれば、自分を責める気持ちから少し解放されるのではないでしょうか。
なぜ認めることが大切かというと、問題を隠したり否定したりする限り、本当の解決には至らないからです。
「怒ってはいけない」と自分を抑え込むだけでは、かえってストレスが溜まり、より大きな感情爆発を引き起こす悪循環に陥ってしまいます。
自分の感情と向き合い、その背景にある心の傷や世代間連鎖のメカニズムを理解することで、初めて本質的な変化への道が開けるのです。
以下では、なぜ私たちが親から感情的な反応パターンを受け継いでしまうのか、その背景にある心理的メカニズムと解決への糸口について詳しく解説していきます。
親から受け継いだ「世代間連鎖」のメカニズム
子どもへのヒステリックな怒りは、実は親から子へと無意識のうちに受け継がれる「世代間連鎖」というメカニズムによって生じることがほとんど。
これは単なる遺伝ではなく、幼少期に見て学んだコミュニケーションパターンや感情表現の方法が、無自覚のまま自分の子育てに反映されている現象です。
「私も母親と同じように怒ってしまう…」と気づいて愕然とした経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
この連鎖が起こる主な理由は、子ども時代の脳が親の行動を無条件に吸収し、それを「正常」なものとして記憶するからです。
特にストレス状況下では、私たちの脳は理性的な判断よりも、過去に深く刻まれた反応パターンを自動的に再現しがちになります。
例えば、子どもが宿題をせずにテレビを見ていると、かつて自分が親から怒られた時の感情が無意識に呼び起こされ、同じように声を荒げてしまうのです。
心理学的研究によれば、親の養育態度は子どもの脳の発達や感情調整能力に大きな影響を与えることが分かっています。
しかし、この連鎖を必然として受け入れる必要はありません。
世代間連鎖に気づくことは、それを断ち切るための重要な第一歩なのです。
自分のパターンを客観的に観察し、「これは私自身の選択ではなく、親から受け継いだものだ」と認識できれば、新しい選択肢を見つける余地が生まれます。
世代間連鎖は必ず断ち切ることができます。
あなたが今、この問題に向き合おうとしていることが、次の世代へのより健全な子育てパターンを伝える貴重な機会となるのです。
怒りの裏にある自分自身の心の傷
子どもへの過剰な怒りの根源には、実は自分自身の癒えていない心の傷が隠れていることがよくあります。
子どもの些細な行動に対して思いがけない強い怒りが湧いてくるとき、それは単なる「しつけ」の問題ではなく、あなた自身の過去の痛みが触発されている可能性が高いでしょう。
「なぜこんな小さなことで、こんなに感情的になるのだろう」と不思議に思ったことはありませんか。
この現象は心理学では「感情的フラッシュバック」と呼ばれることもあります。
子どもの行動が、あなたが子ども時代に体験した否定的な経験を無意識のうちに思い出させ、当時感じた無力感や悲しみ、恐れなどの感情が現在の状況に重ね合わされるのです。
例えば、子どもが片付けをしないことに異常に腹を立てるのは、あなた自身が子ども時代に整理整頓ができなかったことで厳しく叱責された記憶が刺激されているかもしれません。
特に、次のような状況でヒステリックな怒りが生じやすくなります。
- 自分の期待が満たされないとき:
子どもに対して(こうなって欲しい)(こうして欲しい)などの高い期待を持ち、それが満たされないと感じると、子ども時代に自分が「十分ではない」と感じさせられた痛みが呼び起こされることがあります。
- コントロールを失ったと感じるとき:
子どもが言うことを聞かないと、自分の無力感を強く感じ、それに対する防衛反応として怒りが爆発することがあります。
- 自分自身が疲れているとき:
睡眠不足や過労状態では、感情を制御する脳の機能が低下し、過去のトラウマ反応が出やすくなります。
これらの心の傷に気づき、向き合うことは決して容易なことではありません。
しかし、「この怒りは本当は何に対するものなのか」と自問することで、自分自身の内面を少しずつ理解していくことができます。
自分を責めるのではなく、「これは私の傷ついた子ども時代の自分からの反応なのだ」と認識することが大切です。
怒りの裏にある心の傷を癒すことは、子どもとの関係を改善するだけでなく、あなた自身の人生の質を高める重要なステップとなるでしょう。
ママの感情爆発が子どもの心に与える影響
親の感情爆発は、子どもの心に予想以上に深い影響を残します。
子どもは親の言葉や態度をそのまま自分への評価として受け取ってしまうため、感情的な叱責が繰り返されると、自己肯定感の低下や不安感の増大などの影響が生じやすくなるのです。
「怒っているのは行動に対してであって、あなた自身を否定しているわけではない」と説明しても、残念ながら小さな子どもにはその区別を理解することが難しいという現実があります。
子どもの脳は大人と異なり、まだ発達途上にあります。
特に前頭前皮質という感情を調整する脳の部位は10代後半まで十分に発達しません。
そのため、親の感情的な言動に対して、子どもは以下のような反応を示すことがあります。
- ストレスホルモンの増加:
親が怒鳴ると、子どもの体内ではコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、長期的には免疫機能の低下や情緒不安定の原因になることもあります。
- 安全基地の喪失感:
本来、親は子どもにとって安全と安心を提供する存在ですが、予測不可能な感情爆発が繰り返されると、基本的な安心感が損なわれ、愛着形成に影響を与える可能性があります。
- 感情表現モデルの内在化:
子どもは親の感情表現の仕方を無意識のうちに学び取ります。
感情爆発が「正常」な表現方法だと学んでしまうと、将来同じような方法で自分の感情を表現するようになる可能性が高まります。
ある研究では、感情的に叱り続けられた子どもは、そうでない子どもに比べて、将来円滑な人間関係を築くことが難しくなる可能性があります。
しかし、完璧な親などいません。
誰しも時には感情的になってしまうことがあります。
大切なのは、そのような時に「ごめんね、ママ(パパ)は感情的になりすぎたね」と素直に謝ること。
こうした謝罪の姿勢は、子どもに「感情をコントロールできないことがあっても、それを認めて修復しようとする」という健全なモデルを示すことになります。
親の感情爆発が子どもに与える影響を理解することは、変化への強い動機づけとなるでしょう。
あなたの子どもたちのために、そして世代間連鎖を断ち切るために、今日から少しずつ変化を始めてみませんか。
今すぐできる!怒りの感情をコントロールする3つの方法
子どもに対してヒステリックに怒ってしまう自分を変えたいと思ったら、まず今日から実践できる具体的な方法から始めましょう。
親から受け継いだ感情パターンは、自分の内側にある「傷ついた子ども時代の自分」に気づき、それを癒すことで徐々に変えていくことができます。
なぜ具体的な方法が必要かというと、世代間連鎖を断ち切りたいという意識だけでは、実際の場面で感情が爆発してしまうことが多いからです。
特に疲れているとき、ストレスがたまっているときは、頭では分かっていても感情のコントロールが難しくなります。
そんなときに「とりあえずこれをやる」という明確な行動指針があれば、感情の暴走を防ぐ助けになるのです。
以下では、忙しい日々を送る中でも無理なく実践できる3つの方法を紹介します。
どれも科学的な裏付けがある効果的な方法ですが、まずは一つずつ試してみて、あなたに合ったものから取り入れていきましょう。
怒りを感じた瞬間の「深呼吸と6秒ルール」
怒りの感情が湧き上がった瞬間に、まず「深呼吸」と「6秒数える」という簡単な行動を取り入れることで、感情の爆発を防ぐことができます。
この方法は、脳の構造を理解すると効果がよく分かります。
「今すぐにでも大声で叱りたい!」という衝動に駆られたとき、まずは深く息を吸って、ゆっくり吐きながら心の中で6秒数えてみてください。
この方法が効果的な理由は、怒りの感情が発生する過程に関係しています。
子どもの行動に対して感じる強い怒りは、脳の「扁桃体」という部分で瞬時に生じます。
一方、理性的な判断は「前頭前皮質」という部分で行われますが、こちらの反応は少し遅れて起こります。
深呼吸と6秒のカウントは、この「前頭前皮質」が働く時間を確保することで、冷静な判断ができるようになるのです。
具体的な実践方法は次のとおりです。
- 深呼吸のやり方:
鼻から息を大きく吸い込み、口からゆっくりと吐き出します。この時、お腹が膨らむように意識して呼吸すると、より効果的です。
- 6秒ルールの実践:
深呼吸をしながら「1、2、3・・・」とゆっくり数えます。
この6秒間で「なぜ自分はこんなに怒っているのか」と自問してみましょう。
この方法は、特に小さな子どもを持つママにとって実践しやすいテクニックです。
「子どもが食べ物をこぼした」「言うことを聞かない」といった日常的な場面で、怒りが込み上げてきたときにぜひ試してみてください。
「また同じことをして!」と思わず声を荒げそうになったときに、この6秒の間を取ることで、感情的な叱責ではなく冷静に話ができるようになるでしょう。
深呼吸と6秒ルールは、忙しい毎日の中でも無理なく取り入れられる簡単な方法ですが、感情のコントロールに大きな効果をもたらす第一歩となります。
自分の中の小さな子どもに語りかける時間を作る
子どもへの怒りをコントロールするためには、自分の心の深い部分にある「子ども時代の心の傷(インナーチャイルド)」を見つめる時間を作ることが非常に効果的です。
これは子どもに怒ってしまった後や、一日の終わりなど静かな時間に行うとよいでしょう。
寝る前の10分間など、短い時間でも構いません。
目を閉じて、自分が子どもだった頃の姿を思い浮かべてみてください。
この方法が効果的な理由は、子どもに対する過剰な怒りの多くが、実は自分自身の子ども時代の未解決の感情と関連しているからです。
例えば、自分の子どもが宿題をしないことに過剰に反応してしまうのは、あなた自身が子どもの頃に「ちゃんとしなさい」と厳しく叱られた経験があり、その痛みが無意識のうちに呼び起こされているかもしれません。
「どうして片付けができないの!」と怒りながら、実は自分自身の中の「できない自分」を責めている場合も多いのです。
具体的には、次のような実践をしてみましょう。
- イメージワークの方法:
静かな場所で目を閉じ、子ども時代の自分を思い浮かべます。
「あなたはそのままでいいんだよ」「あなたは愛されているよ」など、当時聞きたかった言葉をかけてあげます。
- 日記を書く:
子ども時代の自分に手紙を書くような形で、今の気持ちを綴ってみるのも効果的です。
「あなたは悪くなかった」「あなたは大切な存在だよ」といった言葉を書いてみましょう。
仕事と育児の両立で疲れ切っている方や、完璧な母親であろうとするプレッシャーを感じている方にとって、このような自己対話は自分自身を癒すのにとても大切な時間になります。
「子どものためになるはずのことが、なぜか怒りばかりに変わってしまう…」という悩みを抱える方も、自分の感情の根源に気づくことができるでしょう。
傷ついた子ども時代の自分との対話を続けることで、子どもへの過剰な感情反応が徐々に和らぎ、より穏やかな親子関係を築いていくことができます。
夫や周囲にサポートを求めることもセルフケア
子育てのストレスや疲労がヒステリックな怒りの引き金になっていることが多いため、一人で抱え込まずに夫や周囲の人にサポートを求めることも重要な怒りのコントロール法です。
特に「育児は母親の仕事」という思い込みから、助けを求めることを躊躇する方も多いかもしれません。
でも適切に援助を求めることは決して恥ずかしいことではなく、むしろ、子どもと良好な関係を保つための賢明な選択と言えるでしょう。
サポートを求めることが効果的な理由は、人間の感情と心の余裕の関係性にあります。
心理学の研究では、睡眠不足や過労状態が感情コントロール能力を著しく低下させることが分かっています。
つまり、どんなに子どもを愛していても、あなた自身が心身ともに疲れ切っていれば、些細なことで怒りが爆発してしまうのは自然なことなのです。
「また怒ってしまった…」と自分を責めるよりも、自分の状態を改善するための具体的なサポートを求めることが解決策となります。
実践的なアプローチとしては、次のような方法があります。
- 具体的なサポートの求め方:
「疲れているから子どもを見ていて」という漠然とした頼み方ではなく、「今日の夕食準備の間、子どもと遊んでくれないか」など、具体的な行動と時間を明示して頼むと相手も応じやすくなります。
- 定期的な「自分時間」の確保:
週に一度、数時間だけでも子どもを夫や祖父母、一時保育に任せて、自分だけの時間を作る習慣を作りましょう。
この「充電時間」があることで、怒りの閾値が上がります。
- 同じ悩みを持つ親との交流:
育児サークルやオンラインコミュニティで同じ悩みを持つ親と交流することで、感情の共有や具体的なアドバイスが得られることがあります。
「夫は仕事が忙しいから」「親に頼るのは申し訳ない」という思いからサポートを求めることをためらっている方も多いでしょう。
しかし、あなたが心のゆとりを持てることは、結果的に子どもにとっても大きなメリットになることを忘れないでください。
サポートを求めることは、単に自分の負担を減らすだけではなく、子どもに対して安定した感情で接するための重要なセルフケアの一部なのです。
世代間連鎖を断ち切るための長期的アプローチ
子どもへのヒステリックな怒りの問題を根本的に解決するには、短期的な対処法だけでなく、親から受け継いだ感情パターンを長期的に変えていく取り組みが必要です。
自分のインナーチャイルドと向き合い、心の傷を癒すプロセスは一朝一夕には完了しませんが、この取り組みこそが世代間連鎖を確実に断ち切る道となるのです。
なぜ長期的なアプローチが必要かというと、怒りの感情パターンは単なる癖ではなく、幼少期から長年かけて脳や心に刻み込まれた深い反応だから。
瞬間的な怒りのコントロール法は応急処置として有効ですが、根本的な変化を起こすには、自分自身の内面と向き合い、新しい感情の在り方を少しずつ身につけていく必要があります。
この過程は時に痛みを伴うこともありますが、あなた自身の人生を豊かにし、子どもたちに健全な感情表現のモデルを示すことができるようになるでしょう。
以下では、世代間連鎖を断ち切るための具体的な長期的アプローチについて詳しく解説していきます。
どのアプローチも即効性よりも持続的な効果を重視していますので、焦らずにご自身のペースで取り組んでみてくださいね。
自分の「親との関係」を客観的に振り返る
子どもに対するヒステリックな怒りの連鎖を断ち切るには、まず自分と親との関係性を客観的に振り返ることが重要な第一歩となります。
この振り返りは親への批判や親を責めるためではなく、自分の反応パターンの根源を理解し、癒すためのプロセスです。
子どもに怒りの感情が生じるとき、その背景には自分自身の子ども時代の体験が影響していることが多いのです。
振り返りを行うことで、自分が無意識のうちに親から受け継いでいる行動パターンや価値観に気づくことができます。
例えば、子どもが宿題をしないことに過剰に反応してしまうのは、あなた自身が子ども時代に「勉強ができない子はダメな子だ」というメッセージを受け取ってきたからかもしれません。
「なぜこんなに怒っているのだろう」と自問したとき、その答えが自分の親との関係の中に見つかることは少なくありません。
具体的な振り返りの方法としては、次のようなアプローチが効果的です。
- 子ども時代の記憶を書き出す:
特に親からの叱責や怒りに関する記憶を日記などに書き出してみましょう。
怒られた内容よりも、そのときに感じた感情(悲しみ、恐怖、羞恥心など)に注目することが大切です。
- 現在の子育てとの共通点を探る:
自分が親から受けた養育態度と、自分の子育ての共通点や違いを客観的に観察してみましょう。
「これは母がよく言っていた言葉だ」といった気づきが得られるかもしれません。
振り返りの過程で辛い感情が湧いてくることもあるでしょう。
そんなときは無理をせず、少しずつ進めることが大切です。
必要であれば、カウンセラーなど専門家のサポートを受けることも検討してみてください。
自分の親との関係を客観的に振り返ることは、次の世代への負の連鎖を断ち切るための出発点となります。
過去を変えることはできなくても、その理解を通じて未来を変えることは必ず可能なのです。
子どもへの態度を見直す「セルフチェックリスト」
世代間連鎖を断ち切るには、日常的な子どもへの接し方を意識的に観察し、見直していくことが欠かせません。
セルフチェックリストを作成して定期的に振り返ることで、自分の言動パターンに気づき、改善点を見つけることができます。
「また同じことを繰り返してしまった…」と自分を責めるのではなく、変化のための気づきとして活用しましょう。
このチェックリストの目的は、あなたの子育てを否定することではなく、親から無意識に受け継いだ不要な反応パターンを特定し、より健全なコミュニケーション方法を選択できるようになることです。
日々の忙しさの中で自動的に反応してしまいがちな場面でも、意識的な選択ができるようになるためのツールとして活用してください。
効果的なセルフチェックリストには、以下のような項目を含めると良いでしょう。
- 感情的になりやすい状況の特定:
「子どもが食べ物をこぼしたとき」「言うことを聞かないとき」「片付けができていないとき」など、自分が特に怒りを感じやすい状況をリストアップします。
これらの状況に共通するパターンはありますか?
- 使っている言葉の確認:
子どもに対して「いつも」「全然」「どうして〜できないの」といった言葉をよく使っていませんか?
これらは親から言われた言葉と似ていないでしょうか?
- 非言語コミュニケーションの観察:
声のトーン、表情、姿勢などを意識的に観察します。
怒りを感じるとき、体はどのような反応をしていますか?
- 子どもへの期待の現実性チェック:
子どもの年齢や発達段階に対して、非現実的な期待を持っていませんか?
例えば、4歳の子どもに完璧な片付けを求めるのは適切でしょうか?
このチェックリストは週に1回程度、静かな時間に振り返ると効果的です。
子どもとの関わりで困難を感じた場面を思い出し、どのように反応したか、どのように反応したかったかを書き出してみましょう。
セルフチェックリストによる振り返りを続けることで、問題パターンの繰り返しを減らし、より意識的で選択的な子育てが可能になっていくでしょう。
完璧な親を目指さず「十分に良い親」を心がける
世代間連鎖を断ち切る上で最も重要なことの一つは、「完璧な親」を目指す考え方から解放されることです。
子育てにおいて完璧を求めることは、かえってストレスを増加させ、感情的な反応を引き起こす原因となります。
代わりに、子どもにとって「十分に良い親」であることを心がけましょう。
この考え方は、小さな失敗や感情的になることがあっても、全体として子どもの感情的・心理的ニーズに応えられる親であれば十分だというものです。
「十分に良い親」という概念は、有名な小児科医で精神分析家のドナルド・ウィニコットが提唱したもので、100%完璧な親など存在せず、時には失敗することも子どもの成長にとって必要だと説明しています。
完璧主義から解放されることで、親自身の心の余裕が生まれ、子どもにより安定した感情で接することができるようになるのです。
具体的に「十分に良い親」であるために心がけたいことは以下の通りです。
- 自分の限界を認める:
疲れているときや余裕がないときは、「今は十分なエネルギーがない」と認め、無理をしないことが大切です。
「今日はテレビを少し長く見せてしまったけれど、それで良いのだ」と自分を許してあげましょう。
- 感情的になったら謝る:
感情的に怒ってしまっても、後で「ママ(パパ)は感情的になってごめんね。
あなたのことは大好きだよ」と素直に謝ることで、むしろ良いモデルを示すことができます。
- 小さな成功を認める:
「今日は怒らずに対応できた」など、小さな成功体験を認め、自分を褒めることも大切です。
変化は一気に起こるものではなく、小さな一歩の積み重ねです。
「もっと理想的な母親でなければ」「もっと忍耐強くあるべき」といった考えに囚われている方は多いかもしれません。
特に教師や専門職の方は、仕事では高い水準を保っているのに、家庭では感情的になってしまうというギャップに苦しんでいることもあるでしょう。
しかし、そのようなプレッシャーこそが、かえって感情爆発の引き金になることを理解することが大切です。
完璧さを手放し、「十分に良い親」を目指すことで、あなた自身も子どもも、より自由で健全な関係を築くことができるようになります。
子育て中の自分を癒す小さな習慣作り
世代間連鎖を断ち切るプロセスにおいて、子育て中の自分自身を労わり癒す習慣を持つことは非常に重要です。
まずは小さな習慣から始めて、自分を癒す時間と空間を確保していきましょう。
子育て中でも無理なく続けられる自分を癒す習慣には、以下のようなものがあります。
- 5分間の呼吸瞑想:
子どもが寝た後や朝起きてすぐの5分間だけでも、静かに呼吸に集中する時間を作りましょう。
スマートフォンのアプリなどを活用すると続けやすいと思います。
- 感謝日記をつける:
就寝前に今日あった小さな幸せや感謝できることを3つ書き出す習慣をつけましょう。
ネガティブな思考から脳を切り替え、前向きな視点を養うのに役立ちます。
- 一人でぬるめのお風呂にゆっくり浸かる:
まだ子どもが小さくても、週に1度は一人でゆっくりお風呂に浸かる時間を作りましょう。
アロマや塩などを入れて、よりリラックスしやすい環境を整えるのもいいと思います。
「子どものために自分を犠牲にするのが良い親」という考えに縛られている方も多いかもしれません。
「自分の時間を持つなんて贅沢」と感じる気持ちもわかりますが、実は自分を癒す時間は子どものためでもあるのです。
自分を大切にする親の姿は、子どもにとって重要なロールモデルとなるからです。
自分を癒す小さな習慣を積み重ねることで、感情的な余裕が生まれ、子どもにより安定した態度で接することができるようになります。
そして、それが世代間連鎖を断ち切る大きな力となるのです。
まとめ:親から子へ、怒りの連鎖は必ず断ち切れる
今回は、子どもに対してヒステリックに怒ってしまうことで悩んでいる方に向けて、
- 親から受け継いだ感情パターンの正体
- 怒りを即座にコントロールする具体的な方法
- 世代間連鎖を根本から断ち切るための長期的アプローチ
上記について、筆者自身が親からの怒りの連鎖を断ち切った経験を交えながらお話してきました。
子どもへのヒステリックな怒りは、あなたの性格や意志の弱さが原因ではありません。
それは親から無意識に受け継いだ感情パターンであり、幼少期に形成された心の傷が根本にあるのです。
日々の疲れや「完璧な親でなければ」というプレッシャーが、その連鎖を強めてしまいます。
「また怒ってしまった…」と自分を責める気持ちはよくわかります。
でも、諦めないでください。
今日から始められる「深呼吸と6秒ルール」や「インナーチャイルドへの語りかけ」を実践することで、少しずつ変化が訪れます。
サポートを求めることもセルフケアの一部だと考え、一人で抱え込まないようにしましょう。
これまであなたが子どもに怒ってしまった経験も、自分を責め続けてきた時間も、決して無駄ではありません。
それらすべてが、あなた自身と向き合うきっかけとなり、世代間連鎖を断ち切るための大切な一歩なのです。
筆者も子どもを妊娠したときに「このままじゃ私も親と同じになってしまう!」と気づき、インナーチャイルドと向き合うことで変化していきました。
あなたも必ず変われます!
気づいたあなたは、すでに変化の道を歩み始めているのです。
平和な親子関係が築けること、心から応援しています。
こんなことはありませんか
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