「いいお母さんでありたいのに・・・」
そう思ったことはありませんか?
「いいお母さんでありたいのに・・・、私、全然ダメ」
私は10年以上、子育てに悩むお母さんたちのセッションをしていますが、そんなふうに自分を責める方はたくさんいます。
ってか、「いいお母さん」って一体なんなんでしょうね?
「いいお母さん」になろうとするからこそ、ストレスがたまり、そのストレスがイライラにつながってる人も案外多いんです。
「いいお母さん」とは一体なんなのかを探りながら、お母さんも子どもも幸せになる「いいお母さん」を提案していきたいと思います。
この記事の目次
「いいお母さん」の特徴とは?
レタスクラブが2020年4月に実施した末子の年齢が3歳以上11歳未満の20~40代の既婚女性332人に向けたアンケートで『あなたは「いい母親」であらればならぬと思っていますか』という質問がありました。
とてもそう思う、そう思う、と答えた人は全体の約64%
どちらともいえないが約22%
あまりそう思わない、全くそう思わないが、約14%
やっぱりいいお母さんでありたい人が多そうですね。
また同じアンケートで、『あなたが「いい母親」像で一番だと思うものを教えてください』という質問もありました。
そのアンケートでは以下のような結果でした。
1位:いつも笑顔で穏やかでいる
2位:イライラしない
3位:ガミガミ怒らない
4位:子どもとしっかり向き合っている
5位:家事を完ぺきにこなしている
引用:レタスクラブ「【#ねばからの解放】「理想の母になれない人」の理想と現実、母親たちを苦しめるものの正体は」
私がお話ししてきた子育て中のお母さんたちもアンケート結果と同じような「いいお母さん」像を持っている人がほとんどです。
「いつも笑顔で穏やか、子どもをしっかり導き、家事を完ぺきにこなす」
そんな人が、一般的に「いいお母さん」というワードから想像される人のように思います。
「いいお母さん」のイメージはいつから?
「いつも笑顔で穏やか、子どもをしっかり導き、家事を完ぺきにこなす」
そんな「いいお母さん」のイメージですが、いつからそのイメージは出てきたのでしょうか。
このようなイメージが出てきたのは、実は明治時代。
鎖国が解け、西洋諸国の植民地とされぬよう、富国強兵を強めていった時代です。
国家の発展のためには、男性は外に出て働き、女性は家に入り、子どもを賢く育てる、というような男女の役割分担が、当時の政府主導でなされるようになったのです。
『良妻賢母』という言葉も明治時代にできたもの。
また明治末から大正時代にかけて、イギリスから「女性は家庭の天使であるべきだ」というようなイデオロギーが入ってきました。
家庭の天使とは、愛情豊かで、女性らしく、主婦の仕事を大事にする、というような感じですね(なんか、男性目線の理想ですよね 笑)。
『良妻賢母』+『家庭の天使』= 「いつも笑顔で穏やか、子どもをしっかり導き、家事を完ぺきにこなす」
そんな流れで「いいお母さん」像が出来上がったのだと思われます。
明治時代以前はどうだった?
では明治時代以前の母親のイメージはどうだったのでしょうか。
実は、江戸時代って、子育ては女性の主な役割ではなかったそうなんですよ。
どちらかというと、子育ては父親の責任という認識が強かったようです。
江戸時代に発行された育児書では父親向けの心得を説くことが一般的でした。
また胎教から積極的に父親が関わるように説いた本もあったんですよ。
(そりゃイクメンになりそうですよね!)
庶民の女性は子育ての担い手だけでなく、働き手としての役割に従事していました。
子育ては、地域のひとたちみんなで行い、監督責任者は父親というようなバランス感だったようです。
いい母親になろうとするからイライラする?
ここまで「いいお母さん」像の歴史をみていきましたが、いかがでしょうか。
「いいお母さん」像って、日本に古来からあった自然なイメージではなく、たった100年くらい前に意図的に作られて、広められたものなんですよね。
もしかして、「いつも笑顔で穏やか、子どもをしっかり導き、家事を完ぺきにこなす」というお母さんって、本来の私たちに合わないものなのかもしれません。
そうなんです。
本来の自分とは合わない人物像になること自体、ストレスなんですよね。
しかも、「いつも笑顔で穏やか、子どもをしっかり導き、家事を完ぺきにこなす」なんて、実際なろうと思って簡単になれるもんでもないと思うんですよ。
・いつも笑顔で穏やか ・子どもをしっかり導く ・家事を完ぺきにこなす、どれか一つなら目指そうと思えばできるかもしれませんが、、、3つ同時にはかなりえぐくないですか? 笑
また、しっかり導く、とか、完ぺきにこなす、とか、基準が曖昧だったりするじゃないですか。
いくら側から見て、「あの人は子どもをしっかり導いていてすごい」と感じていても、本人はそう思えてない場合もある。
反対もあります。
自分は精一杯家事をやって家を綺麗にしてるつもりでも、お姑さんに、埃をすーっと指でなぞられて、「全然ダメね」なんて言われたらもうおしまいです。
いいお母さんになろうと思ってるのに、なれない。
なんてダメな自分。
とうていなれもしない、誰かに意図的に作られた「いいお母さん」像を目指してはなれないと落ち込んで、自分を責めることを繰り返すのはストレスです。
ストレスがたまると、人はイライラしてきます。
イライラすると、人は「いいお母さん」の条件である・いつも笑顔で穏やか、でなんていられません。
本末転倒! (笑)
なんのために人はいいお母さんになろうとするのか?
ストレスがたまりながらも、なぜ、人はいいお母さんになろうとするのでしょうか?
それが、子どもの幸せのため、だからでしょうか?
でも、いいお母さんになろうとして、なれない自分にダメ出ししてストレス溜めて、余裕がなくなって子どもに寄り添えなかったり、イライラして子どもに当たってしまうことがあるようなら・・・
いいお母さんになろうとすることは、子どもの本当の幸せにはつながらないのではないでしょうか?
また、(子どものためにいいお母さんであろう)
そうやって頑張ってストレスをためているお母さんを見て、子どもは無意識に(お母さんは自分のために悩み苦しんでいる)とキャッチしてしまいます。
そして(お母さんを悩み苦しませる自分はなんてダメな子なんだ)って、自己否定を強くしていくパターンもよくあります。
とすると、一旦、いいお母さん像、を手放してみてもいいのかもしれませんよ。
いいお母さんではなく、機嫌のいいお母さんを目指そう
子どもの本当の幸せのことを考えるなら、昔の時代に意図的に作られたいいお母さん像を目指すのではなく、「機嫌のいいお母さん」を目指してみるのはいかがでしょうか。
いつも機嫌のいいお母さんに育てられる子どもって、なんだか幸せそうじゃないですか?
家事は上手じゃないし、子どもをしっかり導けないかもしれない。
でもなんかいつも機嫌がよくって、楽しそう。
「るるるーん、るーん♬」なんていつも鼻歌が聞こえてくる。(サザエさん? 笑)
自分の子ども時代のお母さんがいつもそういうお母さんだったら、、、と想像してみたらどうでしょうか?
(あー、自分のお母さんがいつも機嫌のいいお母さんだったら、私、幸せだったろうな・・・)なんてほっこりと思えたら、きっとあなたの目指すべきお母さん像は、「いつも機嫌のいいお母さん」だと思います。
機嫌のいいお母さんになるには
機嫌のいいお母さんになるには、まずは自分のご機嫌を伺わないといけません!
どんな時に自分の機嫌がよくなるのか、じっくり観察してみましょう。
書き出してあげるとさらによしですね。
例)
・おいしいものを食べる
・ゆっくり寝る
・自然の多いところに出かける
・お気に入りのカップでコーヒーを飲む
・好きなだけNetflixで映画を観る
・花を飾る
・ピラティスのレッスンに行く
・ありがとうと10回唱える
などなど・・・
そして、できそうなことから自分がご機嫌になることをどんどんしてあげてください。
些細なことでもいいんです。
買い物からの帰り道、ちょっと遠回りだけど、気になる通りを通ってみる、とか。
いや、いや時間が・・・とか、他にやるべきことが・・・、とかなるかもしれませんが、子どもの幸せのためには、あなたのご機嫌が最優先!
他のやるべきことは適度にほどほどに、まずは自分のご機嫌をとってください。
そして機嫌が悪くなるようなことをやめていきましょう。
義務感でお付き合いしていたママ友ランチ会、行くと疲れて機嫌が悪くなるんだよなーなんて気づいたら、思い切ってやめてみる。
使い古した布巾、使うたびになんか嫌な気持ちになるなら、思い切って捨ててみる。
それが子どもの幸せのためですから!
いいお母さんではなく、自分らしいお母さんへ
そうやって、自分のご機嫌をとることって、実は自分を大切にすることにもつながるんです。
自分を大切にしていると、他の誰でもない、自分自身がいいなって思えてきます。
すると本来の自分らしく生きれるようになっていきます。
自分以外の何者かになろうとするときって、自分らしさからは遠のいています。
自分らしくいられない時に、人はストレスを抱えます。
自分らしく生きていければ、ノーストレス。
ストレスのない、ご機嫌なお母さんって、最高じゃないですか?
そんなお母さんになっていきましょう。
失った自分らしさを取り戻そう
現代に生きるほとんどの人は、自分らしさを失っています。
「いいお母さん」「いいお父さん」「いい上司」「いい部下」「いい保護者」「いい生徒」「いい友人」などなど、みんなどこか自分とはズレたものを目指そうとしているからかもしれません。
自分とはズレたものを目指すようになったのは、実は子ども時代の自分と自分の親との関係が始まりだったりします。
たいていの親が子どもに求める『いい子』は、本来の子ども自身からはズレています。
すると子どもが親の求める『いい子』であろうとすることは、ありのままの自分をダメとすることにつながります。
親が子どもに『いい子』像を求めれば求めるほど、子どもは自分らしさを失っていく。
そういう子どもが大人になると、子ども時代と同じように、他の誰かに作られたような「いい◯◯」像を追い求めてしまうのです。
そして「いい◯○」像を追い求めてしまう人ほど、無意識に自分の子どもに『いい子』像を求めてしまう、という悪循環が生まれます。
自分らしく生きていれば、子どものその子らしさを尊重してあげられます。
そしてそれが子どもの自己肯定感につながっていくんです。
自己肯定感を高める子育てをしなくては!、なんて頑張らなくても、自分がご機嫌でいるだけでそれが叶うなら、もうやるっきゃないですよね♬
まとめ
私は10年以上、子育てに悩むお母さん方にセッションを提供しています。
セッションの中で、「まず自分がご機嫌になりましょう」「自分が自分を大切にしていきましょう」とお伝えすることが多いのですが、最初はみなさん、「本当にいいんですか・・・」という半信半疑なリアクションが多いです。
『自分のことよりも、子どもや家族のために尽くすのが正解』、みたいなイメージが、ほんと私たちお母さんに強固に植え付けられてるんだなーって感じます。
もちろん、それで家族みんな幸せになってるって人はそれでいいんです。
でも、、、
いいお母さんであろうとするけど、全然ダメ。
モヤモヤイライラして、全然うまくいかない。
そういう人は、ぜひ、今ある「いいお母さん」像を手放し、機嫌の「いいお母さん」になっていきましょう♬
もし一人では難しいよ、って方はセッションでサポートするので、いつでもご連絡くださいね。
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一緒に、毎日ご機嫌、ハッピーなお母さんになっていきましょう。
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