「ママ、見てて!」
幼少期、子どもは親の関心を引きたがるものです。
親に見ていてもらうことで、安心するのでしょう。
しかしある程度大きくなってもまだ、「見てて!」「話を聞いて!」「遊んで!」が続く。
ちょっと関心をそらすと、怒りだす、むくれる、かんしゃくを起こす。
あー、いつまで付き合わなきゃいけないんだろう・・・
うざいし、疲れるからストレス!
そんな方へ、ママ見て!のストレスから解放されるための方法をお伝えしたいと思います。
この記事の目次
子どもの「ママ、見て!」の心理とは
子どもが「ママ、見て!」と言うとき、その裏にはどんな心理が隠れているのでしょうか。
子どもはただ単に親の注意を引きたいと思っているわけではありません。
実は、この小さな要求には、安心感を求める深い心理が隠れています。
子どもたちは、自分の行動が親に認められ、愛されていることを確認することで、自分はここにいていい、自分は安全である、と感じるのです。
また、新しいことを学んだときや、何かを成し遂げたとき、子どもはその喜びを親と共有したいと思います。
これは、自己の価値を認めてもらい、さらにはその達成を通じて親子の絆を深めたいという願いから来ています。
しかし、親が「ママ、見て!」の要求に応えられないとき、子どもは見過ごされていると感じ、不安や孤独を抱えることになります。
このような状況では、親は子どもの要求に対してどのように反応すればよいのでしょうか。
もちろん、理想的には子どもの行動に対して認識し、肯定することでしょう。
でも、「ママ、見て!」がうざくて疲れるからストレス!、という場合も多いものです。
そういう場合はどうしたらいいのでしょうか?
なぜストレスに感じるのか
子どもから「見てて!」と言われて、余裕があるときなら見ていてあげられるでしょう。
でもそうもいかないことは多いですよね。
他のもっと小さな子どもの世話をしなければいけなかったり、家事などのやるべきことが優先の場合もよくあります。
見て見て!という子どもが疎ましく感じる。
でも、同時に、母親としてどんなに忙しくても子どもを見てあげないといけない、という気持ちもあったりしませんか。
自分が見ていないことで、子どもが傷つくのではないか、こんな私は母親失格なのではないだろうか。
子どもに対し、なんとなく悪いことをしているような感覚がする。
それは「罪悪感」とも表現できます。
子どもに対し「罪悪感」を持っていると、子育て中はストレスを感じやすくなります。
親の事情を顧みずに要求を押し付けてくる子どもに対する嫌悪感を抱きながら、子どもの要求に応えなければ!という義務感もありつつ、子どもを満たしてあげられずに子どもを傷つけてしまう「罪悪感」で自分を責めてしまうからです。
<例>
子ども:「ママ見て!」
親の心の中: (なんで忙しい時に限って!やめてほしい。あ、でも見てあげられない私は親としてダメなのかな。寂しい思いをさせちゃうのかな。でも、何度も何度もほんとうざいし、いつまで続くの?でもうざいと思っちゃうのも母親失格?・・・)
例のように、無意識にぐるぐる思考が回ってしまうこと自体がストレスになったりします。
もし罪悪感がなかったら、「ママ、見て!」としつこくされても、「ママは今見れません。」などとハッキリ意思表明することができます。
その方が子どももしつこくなりにくかったりします。
「罪悪感」のからくり
ではなぜ、親は子どもに対し「罪悪感」を抱いてしまうのでしょうか。
理由の一つは、親自身の生い立ちにあります。
自分が育った家庭で、自分が求めるように親から見てもらえず、また欲求に応えてもらえずに、傷ついた記憶と感情が心の奥底に残っているため、その当時の自分と目の前の子どもとを重ね合わせてしまいます。
そして見てもらいたいのに見てもらえない、かまってもらいたいのにかまってもらいたい子どもの傷ついた気持ちが、リアルに感じられてしまいます。
自分がされて嫌だったことを同じように子どもにもしてしまっている、ということで「罪悪感」を感じます。
また子どもを傷つけたくないので、できる限り子どもに応えてあげようとしますが、自分は自分のやりたいことをやりたい、自分らしく振舞いたい、という欲求も同時にあります。
親にだって親の都合があります。
子どものためだけに生きているわけではありません。
しかし幼少期において、自分のやりたいことをやると怒られたり、親の気に入るようにふるまうことをよしとされていた場合、自分のやりたいことをやりたいと願うことに対しても、罪悪感を抱くようになります。
すごく疲れていて、ゆっくり休むことが必要なはずなのに、子どもを優先にしてしまう時は、そんな「罪悪感」が働いている場合も多いです。
親の「罪悪感」が生む、子どもとのネガティブスパイラル
親が「罪悪感」を持っていると、実は子どもの要求はエスカレートしやすいのです。
なぜなら子どもは親が「罪悪感」を感じていることを無意識に見抜き、力ずつで要求すれば自分の要求通りになる可能性があることを知っているからです。
なので要求に応えてもらえないとかんしゃくを起こしたりします。
親は、迷惑だ、と思いながらも、「罪悪感」を感じているため、なんとも言えない辛い気持ちになっていき、子どもの要求に折れてしまったりします。
そして子どもの要求に対する行動に一貫性がなくなります。
でも、「罪悪感」から子どもの要求に応えることのデメリットは実は大きい。
親がいやいや自分の要求に応えていることを察知するので、子どもは心の底からは満たされないず、また同じことを繰り返します可能性が高いからです。
素直に「見てて!」と言ってくれているうちはいいのですが、大きくなるにつれて子どもの行動や言動は複雑なものになっていき、親の気を引きたいがためにわざと親の嫌がるようなことをする、というようなことも起きてきます。
また、「見てて!」など、子どもに要求されたとしても、要求を受け入れられるかどうか、その時々の自分の許容範囲があります。
自然な状態なら、許容範囲を見極めながら、子どもからの要求と折り合いをつけていきます。
もし要求が受け入れられない時は、どう言ったら子どもに伝わるか、子どもの様子を観察しながらコミュニケーションをとっていきます。
「罪悪感」があると、自分の許容範囲以上のことを自分に課したりするのでややこしいことになります。
要求を受け入れられない時のコミュニケーションも、罪悪感がベースになっていると、過剰に申し訳ない感じになったり、反対にやたらと威圧的になったりします。
すると、子どもの反応もネガティブなものになりやすいのです。
罪悪感を手放そう
ではどうすれば「罪悪感」を手放すことができるのでしょうか。
ひとこと、「罪悪感」と言っても複雑な構造をしています。
自分の生い立ちの中でできた心の傷であるインナーチャイルド、出生時の心の傷・バーストラウマ、過去生でのトラウマなども影響してきます。
なので「罪悪感」を一気に手放すことはとても難しい。
そこでこの記事では、生い立ちの中でできた心の傷、インナーチャイルドを癒すことで、子どもに対する「罪悪感」を軽くしていく方法を以下にお伝えしたいと思います。
① 目の前の子どもと同じくらいの歳だったころの自分を思い出そうとする。
その時住んでいた家の雰囲気や、家族の雰囲気も一緒に思い出すと尚よいです。
② 目の前の子どもと同じように、「見て!」「聞いて!」という要求がなかったかどうか思い出そうとする。
そんなことはなかった、全然思い出せない、という方は、記憶を封印してしまっている可能性があります。
思い出すことを一回であきらめずに、時間をかけて探ってみてください。
もしくは、その年齢の時は要求することをあきらめていた可能性もあります。
もっと小さいころはどうだったか、心をよせてみてください。
③ その当時、親から自分の要求に応えてもらえなかったときの気持ちを思い出そうとする。
親だって人間ですもの、いつだってあなたの要求に応えられていたわけではないはずです。
要求に応えてもらえなかったときの気持ち(がっかり?イライラ?不安?寂しさ?悲しみ?などなど)がなかったかどうか、思い出そうとしてみてください。
④ 当時の気持ちを思い出したら、その気持ちに寄り添って一緒に感じようとする。
気持ちを感じようとするときに、体の感覚も一緒に感じようとするのがよいでしょう。
⑤ ①~④を繰り返す。
一遍にやろうとせずに、毎日一定の時間をとって続ける方がいいでしょう。
その時その時で、違った気持ちや、もっと深い気持ちが出てくるかもしれません。
①~⑤を続けていくと、親に自分の要求に応えてもらえなかったという心の傷、インナーチャイルドが癒されていきます。
すると、子どもに自分の当時の気持ちを投影することが減り、「罪悪感」が軽くなっていきます。
子どもの要求に対して、心がざわつくことが減り、自分の許容範囲を冷静に見極めることができるようになってくるでしょう。
要求に応えられない時の子どもへの伝え方も迷いがなくなります。
すると、今までかんしゃくを起こしていた子どもがあっけなく気分を切り替える、なんてことも起きてきます。
まとめ
「罪悪感」があると、必要以上に子どもを気にしてしまうようになります。
一人でいて、リラックスできるような状況にあっても、子どものことが頭から離れない、なんてことも起きてきます。
そうなると、ますます余裕がなくなり、子どもの要求に応える許容範囲も狭まっていくでしょう。
「罪悪感」というキーワードで、自分の子育てや、自分自身の生い立ちを改めて感じ直してみると、今まで気づかなかったことに気づきやすくなるかもしれません。
そして、その気づきが、あなたの子育てを楽にシンプルにしてくれると思います。
子どもの要求にうんざりとなった場合は、「罪悪感」というキーワード、思い出してみてくださいね。
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